一般皮膚科

皮膚疾患や皮膚トラブルは、幅広い年齢層にみられ、髪や爪・デリケートゾーンを含めて頭から足先まで全身にわたります。あらゆる皮膚疾患につきまして、的確な診断と治療を提供したいと思います。
さらに、外用指導や処置指導などについても、丁寧で分かりやすい説明を心掛けてまいります。また、皮膚腫瘍の診断・治療も積極的に行い、特に悪性腫瘍の早期診断・早期治療に力を入れていきたいと思います。皮膚の気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。

よくあるお悩み

膚・髪・爪やデリケートゾーンのことなど、少しでも気になる症状がありましたらお気軽にご相談下さい。

  • かゆみ

    • かぶれ・湿疹
    • アトピー性皮膚炎
    • じんましん
    • 虫刺され
    • 水虫など
  • 痛み

    • ヘルペス
    • 帯状疱疹
    • タコ・ウオノメ
    • 陥入爪
    • やけどなど
  • しこり・できもの

    • 粉瘤や脂肪腫
    • 脂漏性角化症
    • ホクロなど
  • ブツブツ

    • かぶれ・湿疹
    • 汗疱・異汗性湿疹
    • 掌蹠膿疱症
    • ニキビなど

主な取り扱い疾患

  • かぶれ・湿疹

    症状

    原因物質が接触した部位にかゆみを伴う皮疹(赤みやぶつぶつ、水ぶくれ、カサブタなど)がみられます。

    原因

    原因物質の毒性により誰にでも起こりうる刺激性のものと、原因物質に感作されてしまった人にのみ発症するアレルギー性のものに分かれます。なかなか治りにくいかぶれ・湿疹の中には、アレルギー性のものが多く、本人が自覚されていないことも多くあります。

    検査

    問診やパッチテストにて原因の特定を行いますが、原因がはっきり分からないこともあります。

    治療

    原因物質が明らかになった場合は、その物質との接触を断つことが重要です。皮疹にはステロイド外用薬による外用治療、かゆみには抗ヒスタミン薬による内服治療を行います。

  • 手荒れ(手湿疹)

    症状

    手にかゆみを伴う皮疹(赤みやぶつぶつ、水ぶくれ、びらん、ひび割れ、カサブタなど)がみられます。ひび割れになると痛みが生じます。

    原因

    水仕事や手洗いを頻繁に行う方に多くみられます。石鹸や洗剤、アルコール消毒などの刺激も原因となります。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。ただし、手白癬と鑑別を要する場合は、皮剥け(鱗屑)を採取し、直接鏡検(KOH法)を行うことがあります。

    治療

    水仕事の際はなるべく手袋を着用するなど生活指導を行います。保湿剤によるこまめな保湿と、湿疹にはステロイド外用薬などの抗炎症作用のある外用薬を使用して治療を行います。

  • 皮脂欠乏症・皮脂欠乏性湿疹

    症状

    すねや腰、手などがカサカサ・白い粉をふいたようになり、かゆくなります。悪化すると赤みやひび割れが出現し、湿疹が生じます。

    原因

    冬の乾燥しやすい時期や加齢の影響、タオルで擦るなどが原因です。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。

    治療

    熱いお湯でのシャワーや入浴は控え、タオルで擦らないなどの生活指導を行います。乾燥肌には保湿剤を使用し、湿疹がある場合はステロイド外用薬を用いて治療を行います。

  • 汗疱・異汗性湿疹

    症状

    手のひらや足の裏に急激に小さな水ぶくれが生じ、皮剥け(鱗屑)が起こります。湿疹になるとかゆみを伴います。

    原因

    多くは原因不明ですが、春先や夏など季節性に生じる場合や、金属アレルギーが原因となることがあります。

    検査

    多くは見た目で診断できますが、手白癬や足白癬と鑑別を要する場合は、皮剥け(鱗屑)を採取し、直接鏡検(KOH法)を行うことがあります。

    治療

    保湿剤や角質を柔らかくする外用薬、ステロイド外用薬を使用して治療を行います。

  • 脂漏性湿疹

    症状

    頭部や顔面(特にTゾーン)、わきなどの皮脂の分泌が盛んな脂漏部位に赤みやフケ・皮剥け(鱗屑)が生じます。良くなったり悪くなったりを繰り返しやすく、慢性的に持続することが多いです。

    原因

    皮脂中のトリグリセリドが皮膚常在菌により分解され、その分解産物である遊離脂肪酸が皮膚に影響して発症するといわれています。特に、皮膚常在酵母菌であるマラセチアが悪化因子の一つと考えられています。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。ただし、頭部白癬や体部白癬と鑑別を要する場合は、皮剥け(鱗屑)を採取し、直接鏡検(KOH法)を行うことがあります。

    治療

    適切な洗顔や洗髪により脂漏部位を清潔に保ち、ステロイド外用薬や抗真菌薬による外用治療を行います。また、抗真菌薬を含んだシャンプーも効果的です。

  • アトピー性皮膚炎

    症状

    かゆみのある湿疹が左右対称性に慢性(乳児:2ヶ月以上、その他:6ヶ月以上)かつ反復性に経過するものをアトピー性皮膚炎と定義します。湿疹の分布については、年齢により特徴があり、乳幼児期では頭や顔、小児期では肘や膝裏、思春期・成人では上半身から生じることが多く、悪化すると全身に拡大します。

    原因

    遺伝的要因により、生まれつき皮膚のバリア機能が低下(乾燥肌)していることがベースにあり、様々な外的刺激が作用して慢性の皮膚炎を形成するといわれています。

    検査

    血液検査で、アレルギーに関与する好酸球や血清IgEが高値となることが多いです。また、ダニやハウスダストなどの特異的IgEも陽性となりやすいです。
    アトピー性皮膚炎の病勢を反映した血清TARC値を測定することにより、アトピー性皮膚炎の現在の状態を把握することができます。

    治療

    基本的に、まずは外用薬による治療が中心となります。外用薬の中には、抗炎症作用のあるステロイド外用薬やステロイド以外の抗炎症外用薬も近年多く発売されております。もちろん、保湿剤による全身の保湿も非常に重要な治療になります。
    これらの外用薬をうまく・しっかり・正しく使用することでアトピー性皮膚炎を抑えることは可能です。そして、皮疹が改善した後は、プロアクティブ療法(予防目的に外用薬を間欠的に外用する治療法)を行い、皮膚炎が再燃しないように取り組んでいきます。
    ただし、中にはどうしても外用薬だけではコントロールが難しい方や、副作用の点から外用薬を十分に使用することが難しい方も一定数いらっしゃいます。そのような方には、近年、生物学的製剤と呼ばれる注射薬やJAK阻害薬と呼ばれる内服薬も出てきており、以前よりもアトピー性皮膚炎を寛解・維持することが目指せる時代となってきております。
    当院では、アトピー性皮膚炎の治療について非常に力を入れております。アトピー性皮膚炎の患者さん一人一人と向き合い、寛解そして維持を目指して一緒に治療できればと考えております。

  • じんましん

    症状

    突然、かゆみのある隆起した赤み(虫刺されやみみず腫れのような)が生じます。一つ一つの皮疹は、通常数時間〜1日以内に跡形もなく消退するのが特徴です。全身の皮膚に生じる可能性がありますが、中でも、のどの粘膜に生じると息苦しさを自覚することもあります。
    症状が6週間未満で終息するものを急性じんましん、6週間以上症状が持続するものを慢性じんましんと呼びます。慢性じんましんになってしまうと、治癒するまで長期間かかることもありますので、早期での適切な治療が重要になります。

    原因

    約70%は、特発性(原因不明)といわれています。ただし、特発性の中でも、ストレスや睡眠不足、疲れ、風邪などの感染症、季節の変わり目などをきっかけに出ることが多いといわれています。もちろん、何らかのアレルギー(食べ物や飲み薬など)や日光、寒冷、汗、刺激などが原因で発症することもあります。

    検査

    問診である程度原因を検索します。疑わしいものがあれば、血液検査(特異的IgE抗体の測定など)を行うこともあります。さらに精度の高い検査となると、プリックテストと呼ばれる検査になります。プリックテストが必要と判断される方につきましては、総合病院や大学病院にご紹介させていただきます。

    治療

    抗ヒスタミン薬と呼ばれる内服薬が第一選択となります。(もちろん、原因がある場合は、その原因物質の除去になります。)抗ヒスタミン薬にはたくさんの種類がありますので、患者さんそれぞれに合った内服薬を選択する必要があります。
    それでも改善しない場合は、抗ヒスタミン薬の増量や追加、抗ヒスタミン薬以外の内服薬を追加し、皮疹のコントロールができるように調整していきます。もし改善した場合は、少しずつ内服薬を減量しながら、最終的に内服薬なしでも寛解できるように進めていきます。
    ただし、中には色々と内服薬を調整しても、コントロールが難しい患者さんも一定数いらっしゃいます。その場合は、生物学的製剤と呼ばれる注射薬を使用して、コントロールできるように治療します。当院では、生物学的製剤も使用可能ですので、なかなか治らないじんましんの方もぜひご相談ください。

  • 尋常性乾癬

    症状

    頭部や体・四肢(特に刺激を受けやすい部位)に銀白色の分厚い皮(鱗屑)が付着した赤みがみられます。良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性の皮膚疾患です。一般的に自覚症状はないこともありますが、かゆみを伴う場合があります。
    乾癬患者さんの約15%に関節炎症状(指趾関節やアキレス腱付着部など)を合併することがあり(乾癬性関節炎)、不可逆性の変形をきたす場合があるため、注意すべき疾患です。

    原因

    遺伝的要因や外的要因(物理的刺激や感染症など)、免疫学的要因など様々な要因がきっかけで発症するといわれています。

    検査

    見た目である程度診断できますが、湿疹との鑑別のために皮膚生検を行うことがあります。

    治療

    軽症の場合は、活性型ビタミンD3外用薬やステロイド外用薬、これらの混合薬を用いて治療を行います。外用薬でコントロールが難しいような中等症〜重症の患者さんには、内服薬(レチノイドやPDE4阻害薬など)や注射薬(生物学的製剤)を使用します。関節炎症状がある方は早期から生物学的製剤を用いて治療を行います。乾癬は、メタボリックシンドロームや虚血性心疾患などのリスク因子になるため、しっかりと治療を行う必要があります。

  • 掌蹠膿疱症

    症状

    手のひらや足の土踏まずに、赤みや水ぶくれ、ウミ(膿疱)が多発し、慢性に経過します。時々、痒みが出る場合もあります。約10-30%の症例では、掌蹠膿疱症性骨関節炎(PAO)と呼ばれる関節症状(特に胸骨、肋骨、鎖骨など)を伴うことがあります。

    原因

    原因不明ですが、タバコや病巣感染(扁桃炎、虫歯、歯周病、副鼻腔炎)、歯科金属アレルギーなどが関与するといわれています。

    検査

    見た目である程度診断できますが、手白癬や足白癬との鑑別に直接鏡検(KOH法)を行う場合や、必要時は皮膚生検を行います。

    治療

    まずは禁煙や病巣感染の検索・治療を行います。虫歯や歯周病、歯槽膿漏などの検査・治療目的に歯科にご紹介させていただく場合や、副鼻腔炎や扁桃炎を疑う場合には耳鼻科にご紹介させていただくことがあります。局所の治療としては、ステロイド外用薬などの外用治療や抗生剤の内服などで治療を行います。
    重症の患者さんや掌蹠膿疱症性骨関節炎(PAO)を併発して疼痛がひどい場合などは、注射(生物学的製剤)を用いて治療を行うこともあります。

  • 虫刺され(虫刺症)

    症状

    かゆみのある皮疹(赤いぶつぶつやふくらみ、水ぶくれなど)が生じます。虫刺され直後からかゆみのある皮疹が生じる場合や、1-2日経ってから皮疹が出現する場合もあります。

    原因

    蚊やブユなど、様々な昆虫に刺咬されて生じます。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。

    治療

    局所にはステロイド外用薬を使用し、かゆみには抗ヒスタミン薬の内服にて治療を行います。

  • 水虫(足白癬)

    症状

    足の裏や趾間に赤みや水ぶくれ、皮剥け(鱗屑)、びらんなどがみられます。かゆみがある場合はもちろん、かゆみがない場合も多いため、かゆみがないから水虫ではないとは言い切れません。

    原因

    白癬菌と呼ばれるカビ(真菌)が皮膚に寄生することが原因です。

    検査

    鱗屑を採取し、直接鏡検(KOH法)にてすぐに判定します。

    治療

    抗真菌薬による外用治療を行います。

  • 爪水虫(爪白癬)

    症状

    爪が肥厚・黄白色に混濁します。母趾に多くみられます。

    原因

    白癬菌と呼ばれるカビ(真菌)が爪に寄生することが原因です。足白癬から爪に感染することが多いです。

    検査

    爪を採取し、直接鏡検(KOH法)にてすぐに判定します。判定が困難な場合は真菌培養検査に提出することがあります。

    治療

    抗真菌薬による外用治療もしくは内服治療があります。爪白癬のタイプによっては外用治療でも根治できる可能性がありますが、一般的に内服薬の方が有効です。ただし、内服薬を使用する場合、肝臓に負担がかかることもありますので、投与前(直近で検診や他院で血液検査をしている場合は省略)と内服後に血液検査を行います。

  • ヘルペス

    症状

    口唇や眼周囲、手指、陰部などに水ぶくれがみられます。痛みや違和感を伴うことがあります。

    原因

    単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染あるいは再活性化が原因となります。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。ただし、帯状疱疹と鑑別が難しい場合には、単純ヘルペスウイルスキットを用いて迅速診断を行う場合があります。

    治療

    抗ウイルス薬による内服や外用治療を行います。再発を繰り返すヘルペスでお困りの患者さんについては、PIT療法(patient initiated therapy)と呼ばれる、ヘルペスの初期症状が生じた時に患者さんの判断で薬を服用する治療法も行います。(内服薬を事前に処方し、初期症状に備えて携帯して頂きます。)

  • 帯状疱疹

    症状

    体や顔、四肢の片側に赤みや水ぶくれなどの皮疹が帯状にみられます。皮疹が出てくる前に痛みが先行して出てくることもあります。

    原因

    水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化が原因となります。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。ただし、単純ヘルペスやかぶれなどと鑑別が難しい場合には、水痘・帯状疱疹ウイルスキットを用いて迅速診断を行う場合もあります。

    治療

    抗ウイルス薬による内服治療を行います。重症と判断した患者さんにつきましては、入院治療目的に総合病院に紹介する可能性があります。
    一般的に痛みを伴うことが多いため、鎮痛薬を併用することが多いです。帯状疱疹後神経痛と呼ばれる後遺症が持続する方もおられますので、早期から神経痛の治療も行います。神経痛のコントロールが難しい患者さんは、ペインクリニック科にご紹介させていただきます。

  • イボ(尋常性疣贅)

    症状

    手足や指趾に、数mm〜数cmまでの隆起する小結節がみられます。単発(一つだけ)のこともありますが、多くは多発して局面を形成することもあります。一般的にかゆみや痛みなどの自覚症状はありません。

    原因

    ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)による感染が原因となります。

    検査

    多くは見た目で診断できますが、中にはタコやウオノメと区別がつきにくいものもありますので、ダーモスコピーを使用することがあります。

    治療

    主に液体窒素による凍結療法を行いますが、スピール膏や削り処置を併用して行うことが多いです。漢方薬(ヨクイニン)を用いることもあります。ご自身の免疫力で自然治癒することがあります。

  • タコ・ウオノメ

    症状

    足の裏や趾間などの皮膚に、硬く・肥厚したものがタコ(胼胝)、肥厚した皮膚の中心に芯があるものをウオノメ(鶏眼)といいます。一般的にタコは痛みがほとんどありませんが、ウオノメは痛みがあります。

    原因

    長期間、圧迫や摩擦などの機械的刺激が反復している部位、骨が出っ張っている部位に荷重がかかることが原因です。

    検査

    多くは見た目で診断できますが、中にはイボと区別がつきにくいものもありますので、ダーモスコピーを使用することがあります。

    治療

    両者とも原因となる刺激を避ける必要があります。角質を柔らかくする外用薬やスピール膏の貼付、カミソリやハサミにて削り処置を行います。

  • ニキビ(尋常性ざ瘡)

    症状

    顔や背中などの毛穴に一致して皮疹(白いぶつぶつや赤いぶつぶつ、黄色いぶつぶつ)が生じます。

    原因

    思春期にアンドロゲンと呼ばれるホルモンが増加することで皮脂の分泌が増加し、その分解産物によって毛穴の角化異常や細菌感染が生じやすくなることが原因です。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。

    治療

    まずは適切な洗顔や規則正しい生活(食事や睡眠など)が重要です。局所の治療については、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの外用薬が第一選択となります。炎症のきついニキビについては、抗生剤の内服や外用治療も併用して行います。
    保険診療でなかなか治りにくいニキビやニキビ跡については、ケミカルピーリングやイソトレチノイン、ピコフラクショナルなどの自費診療もご提案させていただきます。

  • 多汗症

    症状

    過剰に汗をかく状態のことで、全身性の多汗症と局所性(手のひら、足の裏、脇、顔など)の多汗症があります。多汗にて日常生活に支障をきたすことがあります。

    原因

    原因不明のタイプ(原発性)と基礎疾患(内分泌疾患や神経変性疾患など)や薬剤など原因があるタイプ(二次性)があります。局所性の場合は、緊張やストレスなどが影響すること多いといわれていますが、明らかな原因がないことが多いです。

    検査

    必要に応じて、血液検査にて基礎疾患の有無を調べます。

    治療

    原発性局所多汗症(手のひらや脇)については外用薬で治療を行います。(保険診療)脇汗の匂いが気になる方は、デオドラントシリーズもご提案させていただきます。(自費診療)

  • 円形脱毛症

    症状

    頭部に円形〜卵円形の脱毛斑が突然みられます。1か所(単発性)に生じることが多いですが、多発するタイプや頭部全体さらに全身の毛が脱毛するタイプもあります。

    原因

    遺伝的要因や環境要因、アトピー素因や甲状腺疾患などの自己免疫性疾患など様々な要因が重なって発症するといわれています。

    検査

    ダーモスコピーを用いて、毛や脱毛斑の状態をみて診断します。必要に応じて血液検査や皮膚生検なども行います。

    治療

    単発性であれば自然治癒することもありますが、一般的にはステロイド外用薬による外用治療や内服薬(セファランチンや抗アレルギー薬など)による治療を行います。急激に広範囲に脱毛が進むような場合には、入院でのステロイド点滴による治療が望ましいことがありますので、その際は総合病院にご紹介させていただきます。
    頭部全体の50%以上の脱毛斑があり、過去6ヶ月発毛がみられないような状態の方には、JAK阻害薬と呼ばれる内服薬を用いた治療も行います。(JAK阻害薬を用いる場合は、投与前および投与後も定期的な検査が必要になります)

  • 陥入爪

    症状

    爪の側縁が皮膚(側爪郭)に食い込み、側爪郭に痛みが生じ、赤みや腫れが出てきます。長期間食い込むと、赤くて柔らかい結節(肉芽)がみられ、出血しやすくなります。また、細菌感染を併発することもあります。

    原因

    間違った爪の切り方や巻き爪が原因となります。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。

    治療

    爪の切り方などの指導を行います。テーピング法と呼ばれる保存的治療や、局所麻酔下に食い込んだ爪を一部切除する方法(爪母温存爪甲側縁楔状切除術)で治療を行います。

  • 巻き爪

    症状

    爪の側縁が内側に巻いてしまう、爪が変形する疾患です。特に母趾に多くみられ、痛みを伴うことがあります。

    原因

    先端が窮屈な靴の着用により爪が横方向から圧迫されることや、車椅子や寝たきりの方のように、足の趾に力がかからず爪が丸まってしまうことなどが原因です。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。

    治療

    巻き爪用クリップや巻き爪マイスター®を用いて治療を行います。(自費診療)

  • やけど(熱傷)

    症状

    熱湯や熱いものに触れたところに赤みや水ぶくれ、びらん、潰瘍が生じます。

    原因

    熱湯など高温のものに接触することが原因です。

    検査

    見た目で診断できますので、特に検査はありません。

    治療

    初期治療として、流水などでしっかりと冷却を行い、初日〜数日は局所の炎症を抑えるためにステロイド外用薬を使用します。その後は、局所の状態をみながら適切な外用剤や被覆材で治療を行います。特に、感染の予防が非常に重要になりますので、連日の洗浄や外用処置を指導させていただきます。(自宅で処置が難しい方や重症の方については、当院で連日処置をさせていただきます)
    熱傷が治った後も、肥厚性瘢痕やケロイドのように熱傷跡が目立つ場合もありますので、そちらについても治療させていただきます。

皮膚のできもの(皮膚腫瘍・皮下腫瘍)

  • 粉瘤(類表皮嚢腫)

    症状

    背中や顔、首によくみられますが、全身のどこにでもできる良性の皮膚腫瘍です。嚢腫壁と呼ばれる被膜に包まれており、腫瘍の中央に黒い点(開口部)があることが多く、圧迫すると中から悪臭のある白い粥状物質が出てきます。炎症を起こすと、発赤や腫れ、痛みを伴います。

    原因

    原因は不明ですが、手のひらや足の裏にできる粉瘤には、外傷やヒト乳頭腫ウイルスが関与していることがあります。

    検査

    見た目である程度診断できますが、他の腫瘍と鑑別するためにエコー検査を行うことがあります。

    治療

    局所麻酔下に、嚢腫壁を含めて一塊に全切除します。粉瘤の大きさや部位によっては、くりぬき法(パンチメスで中央をくりぬき、内部の粥状物質と嚢腫壁を取り出す方法)を用いて手術します。炎症を伴っている場合は、可及的に切開を加えて、排膿だけ行う場合もあります。

  • 脂肪腫

    症状

    全身のどこにでもできる、多くは柔らかいしこり(皮下腫瘍)として認識される良性腫瘍です。自覚症状は一般的にありませんが、痛みを伴う場合があります。

    原因

    原因は不明です。

    検査

    見た目と触診である程度診断できますが、他の腫瘍と鑑別するためにエコー検査を行います。

    治療

    局所麻酔下に、一塊に全切除します。全身麻酔での手術が必要な巨大な脂肪腫については、総合病院や大学病院にご紹介させていただきます。

  • 毛母腫(石灰化上皮種)

    症状

    多くは小さいお子さんの顔や首、上肢に硬いしこり(皮内〜皮下腫瘍)として認識される良性腫瘍です。時々、炎症を起こして赤みを伴うこともあります。

    原因

    原因は不明です。

    検査

    見た目と触診である程度診断できますが、他の腫瘍と鑑別するためにエコー検査を行います。

    治療

    局所麻酔下に、一塊に全切除します。お子さんの場合、自然消退することもありますので、手術するかどうかはご相談の上で決定します。

  • 皮膚線維腫

    症状

    多くは大人の四肢に硬い褐色のしこり(皮内結節)として認識される良性腫瘍です。

    原因

    虫刺されや外傷などがきっかけで反応性に生じると考えられています。

    検査

    見た目とダーモスコピーを用いて診断しますが、場合により皮膚生検を行います。

    治療

    局所麻酔下に、一塊に全切除します。

  • 脂漏性角化症

    症状

    顔や頭部、体にみられる褐色〜黒灰色でイボ状に隆起する良性腫瘍です。シミ(老人性色素斑)から隆起してくることが多いです。20歳代からみられ、中高年以降では非常に多くの方にできるといわれています。

    原因

    紫外線や皮膚の加齢性変化が原因と考えられています。

    検査

    見た目とダーモスコピーを用いて診断します。大きな腫瘍の場合、悪性腫瘍との鑑別に皮膚生検を行うことがあります。

    治療

    液体窒素療法や手術による切除(保険診療)とサージトロンを使用した除去(自費診療)になります。悪性のものではありませんので、治療せずに経過観察でも問題ありません。患者さんそれぞれのご希望に沿い、ご相談の上で治療方針を決定します。

  • ホクロ(色素性母斑)

    症状

    全身どこにでも生じる、皮膚色、褐色〜黒色の色素斑もしく皮膚腫瘍です。生下時から存在する先天性のものと、3-4歳から生じて次第に増加する後天性のものがありますが、大部分は後天性のものです。

    原因

    はっきりとした原因は分かっていませんが、遺伝的要因や紫外線などの影響が考えられています。

    検査

    見た目とダーモスコピーを用いて診断します。悪性黒色腫(メラノーマ)など悪性腫瘍との鑑別が必要な場合は、皮膚生検(場合によっては全切除)を行います。

    治療

    手術による切除(保険診療)やサージトロンを使用した除去(自費診療)になります。明らかに悪性のものでなければ、治療せずに経過観察でも問題ありません。患者さんそれぞれのご希望に沿い、ご相談の上で治療方針を決定します。

  • その他

    皮膚のできものには非常にたくさんの種類があります。見た目やダーモスコピー、エコー検査だけでは判断ができないものも多くありますので、まずは皮膚生検(場合により全切除)を行い確定診断します。治療については、ご相談の上で決定します。

皮膚のがん

  • 基底細胞癌

    症状

    高齢者の顔に生じることが多く、灰褐色〜黒色の腫瘍や潰瘍として認識される悪性腫瘍です。日本人の中で一番頻度の高い皮膚悪性腫瘍です。

    原因

    紫外線や放射線、外傷などとの関連性が考えられています。

    検査

    ダーモスコピーと皮膚生検を行い診断します。

    治療

    局所麻酔下に、腫瘍の大きさよりも少し拡大して全切除します。腫瘍の大きさや部位によっては、大学病院にご紹介させていただきます。治療後も定期的にフォローさせていただきます。

  • 日光角化症

    症状

    高齢者の顔や手の甲などの露光部に、赤み(紅斑)や鱗屑、かさぶたが固着した紅斑がみられます。時々、紅斑の上にツノ状に突出したもの(皮角)もみられます。

    原因

    長年の紫外線による影響が考えられています。

    検査

    ダーモスコピーと皮膚生検を行い診断します。

    治療

    イミキモドクリーム(ベセルナ®クリーム)を用いた外用治療もしくは液体窒素療法、手術療法(局所麻酔下に腫瘍の大きさよりも少し拡大して全切除)があります。治療については、患者さんそれぞれの状況に最適と考えられる治療を行います。治療後も定期的にフォローさせていただきます。

  • Bowen病

    症状

    高齢者に多くみられ、褐色〜黒褐色で少し隆起した扁平な腫瘍です。ほぼ全例で鱗屑やかさぶたが固着しています。見た目は湿疹に似ていることもあり、注意が必要です。

    原因

    原因は不明であることが多いですが、一部紫外線やヒト乳頭腫ウイルスが関与していることが考えられています。

    検査

    ダーモスコピーと皮膚生検を行い診断します。

    治療

    局所麻酔下に、腫瘍の大きさよりも少し拡大して全切除します。治療後も定期的にフォローさせていただきます。

  • 有棘細胞癌

    症状

    高齢者の顔や手の甲などの露光部に、褐色〜紅色の腫瘍や潰瘍がみられます。急速に増大する症例もあり、所属リンパ節に転移をきたしやすい悪性腫瘍です。

    原因

    紫外線や放射線、瘢痕などが発症に関与するといわれています。日光角化症やBowen病などから進行する場合も多いです。

    検査

    ダーモスコピーと皮膚生検を行い診断します。

    治療

    有棘細胞癌のごく初期であれば当院で手術を行いますが、基本的には大学病院にご紹介させていただきます。治療後については、大学病院と連携してフォローさせていただきます。

  • 悪性黒色腫(メラノーマ)

    症状

    顔や体・四肢、足の裏、爪や粘膜などに褐色〜黒色の色素斑や腫瘤がみられます。欧米人と違って、日本人では特に足の裏や爪に多いといわれています。リンパ節や他臓器に転移しやすく、悪性度が非常に高いです。

    原因

    様々な要因(紫外線、外傷や物理的刺激など)やほくろから発生することがあります。

    検査

    ダーモスコピーと皮膚生検(場合により全切除)を行い診断します。

    治療

    早期での手術治療が重要です。基本的には大学病院にご紹介させていただきます。治療後については、大学病院と連携してフォローさせていただきます。

  • その他

    皮膚の悪性腫瘍には非常にたくさんの種類があります。悪性のものを疑った場合は、皮膚生検(場合により全切除)を行い確定診断します。当院での治療が難しい場合は大学病院にご紹介させていただきます。治療後については、大学病院と連携してフォローさせていただきます。

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